第32回福岡アジア映画祭2018
自分が17年携わっている映画祭ですが、ここ数年での映画環境の激変のなか
今年もどうにか開催します。(ここ数年は今年で最後という声が続いていますが・・)
ということで今年は5作品となりました。
トト/TOTO Toto
フィリピン/2016/116分 監督:ジョン・ポール・スー
マニラのホテルで働くトトは、アメリカ行きのビザを取得するため、ホテルの女性客と偽装結婚しようとして、逆に騙されて、失敗。それから、大使館員に理想的な家族だと信じさせるために、アカの他人を集めて演技をさせたりするが、それも失敗。だが、最後は何とかビザを取得し、念願のアメリカ行きを実現させるが、…。
頻繁に出て来る死んだ父親は、「パイレーツ・オブ・カリビアン」のパロディ。これまでシリアスな役の多かった人気」俳優シド・ルセロが初めてチャレンジした抱腹絶倒のコメディ。
ロサンゼルス・コメディ・フェスティバル・アワードで主演男優賞を受賞!
パズル The Puzzle
韓国/2017/91分 監督:リム・ジンスン
才能と財力に恵まれた男・ドジュン。しかし海外留学中の娘と、娘に付き添い移住した妻と離れて暮らすうち、妻に対する疑心暗鬼が深刻になっていた。
ある夜、ドジュンは独りで酒を飲んで徘徊する途中、謎めいた女・セリョンを助ける。そして彼女の魅力に惑わされ、取り返しのつかない事件に足を踏み入れることに…。
目覚めると殺人者になっていたドジュン。誰かから常に脅され続ける恐怖のなかで、複雑にもつれたパズルを解くために走り始める。
イケメン俳優チ・スンヒョンが初めてインディーズ映画に主演した異色のサスペンス。「アウトドア・ビギンズ」のリム・ジンスン監督の長編第2作。
願いと揺らぎ
Tremorings of Hope
日本/2017/146分 監督:我妻和樹
2011年3月11日の東日本大震災による未曾有の地震と津波に襲われた宮城県南三陸町の波伝谷。そこに暮らす人々の被災後の姿を追いながら、復興への願いとそれぞれの立場と思いからくる心の揺らぎを、伝統行事の「お獅子さま」復活の過程をめぐって描き出していく。
カラーとモノクロ映像による震災前後の対比を背景に、監督自身が人々とかかわる姿を交えながら、多くの課題を抱えた復興への苦難の道のりが生き生きと活写される映像は刺激的である。前作『波伝谷に生きる人びと』(2014)のその後である。
熊野から・イントゥ・ザ・新宮
From Kumamo into the Shingu
日本/2017/83分 監督:田中千世子
映画評論家でドキュメンタリー映画作家でもある田中千世子監督が、世界遺産の地・和歌山県熊野地方を舞台に手がける「熊野から」シリーズ3部作の完結編。セミドキュメンタリー形式で描かれた第1作「熊野から」、物語性のある劇映画として製作された第2作「熊野から ロマネスク」に続く今作は、再びセミドキュメンタリー形式となり、熊野地方の中心的な都市である新宮市にフォーカス。
シリーズおなじみの登場人物である俳優兼エッセイストの海部剛史と担当編集者のサキが、取材のために現地を訪れたという設定のもと、2人の取材旅行を通して、新宮市の精神風土や文化的背景をひも解いていく。
http://www.kumanokara.com
ゴーストマスク~傷~ The Ghost Mask
韓国・日本/2018/81分 監督:曽根剛
行方不明になった日本人の姉を探すために韓国・ソウルに留学してくる美優。新進気鋭の整形外科医ハナに出会い、次第に仲良くなるが、美優はハナに姉の面影を感じるようになる。一方、ハナも美優に惹かれるようになるが、彼女は同性の恋人ヒョシンと同居しており、美優は距離を置かれてしまう。やがて、それぞれの過去が明らかになっていくが・・・。
ハングルと日本語が飛び交うインターナショナルな世界に繰り広げられるブラッディ・ミステリー。韓国映画に出ることを夢見て勉強したという茜ゆりかの韓国語が見事だ。
7月6日(金)12:30~「トト/TOTO」*ティーチ・イン
15:30~「熊野から・イントゥ・ザ・新宮」*ティーチ・イン
18:00~「願いと揺らぎ」*ティーチ・イン
7月7日(土)10:00~「願いと揺らぎ」*ティーチ・イン
13:30~「トト/TOTO」*ティーチ・イン
16:30~「パズル」*ティーチ・イン
19:00~「ゴーストマスク~傷~」*ティーチ・イン
7月8日(日)10:00~「熊野から・イントゥ・ザ・新宮」*ティーチ・イン
12:30~「ゴーストマスク~傷~」*ティーチ・イン
15:00~「トト/TOTO」*ティーチ・イン
18:00~グランプリ発表